前回の続きです。
古い(1970年代前半)デジタルマルチメータを入手しました。
調整の必要があるので、やむなく内部を開けて見ます。
もっともこういう古い計測器は非常に興味深いので、
調整の必要がなくとも中を見ていたと思います。
上部のねじを外すことにより、簡単に内部を確認することが出来ます。
大きく 2 枚の基板から構成されています。
上側基板
下側基板
機能の割りに回路規模が非常に大きいです。
B 級(0.1%)~D 級(0.5%)の金属皮膜抵抗が多く見えます。
また、部品定格などを見る限り、計測器らしい堅牢な設計になっているようです。
困ったことに、調整箇所(トリマ)が予想以上に多いです。
説明書も何もないので、正しい調整を行うためには、
ちゃんと回路構成を追う必要がありそうです(ちょっとうれしい)。
でも両面基板なので、やや大変かも。
レンジ切り替えロジック
ロジック IC は電池動作を考慮したものでしょうか、ナショセミの 74L ファミリを使用しています。
(ただし74141 のみ標準 TTL。)
74L は 74H と並んで今はまず見かけない 74 シリーズの TTL です。
MOSTEK MK5007P
心臓部 ADC は予想通り、”準”ディスクリート構成と呼ぶべき、カウンタ IC による積分型をとっています。
このカウンタ IC(MK5007P) と 74141 のみ、何故か IC ソケットを使っています。
故障しやすい部品なのでしょうか。
IC のデートコードを見る限り、本製品は 1973 年以降に製造されたもののようです。
当時はすでに LED も VFD もあったはずなのですが、どうしてニキシー管を採用したのでしょうか・・・?
次回は回路構成を詳しく見ていきます。