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太陽電池駆動式・導通チェッカの製作


太陽電池で駆動する導通チェッカを作りました。
電池不要でメンテナンスフリーかつ常時電源 ON なので、テスタで導通チェックするときのように、いちいちスイッチやレンジを切り替える必要がありません。
作業机の上に 1 つ置いておけば、使いたいときすぐ使えて便利です。

Schematics (PDF)

Source Code (AVR Assembly for ATtiny11L / ATtiny13A)

上図に回路図を示します。測定電流 1mA (パルス測定) で、約 100 Ω以下のときブザーが鳴るようになっています。消費電流の関係で BOD やリセット IC を使用していないので、うまく起動しないときはテスタリードで RESET ピンをタッチしてください。

MCU は ATtiny13Aを使用しています。当初は ATtiny11L を使用予定だったのですが、このチップは WDT 用クロックを内蔵 RC 発振器として共用しており、電源電圧により発振周波数が 10 倍以上変化するという致命的な問題があるため、途中で tiny13A に変更しました。プログラムはアセンブラですが、GCC でアセンブルできるようになっています。

この製作のキーパーツはアモルファス太陽電池で、松下のアモルトンの 3V 出力品 (開放時 4V) を使用しています。アモルファス太陽電池は通常の単結晶シリコン太陽電池と感度特性が異なり、可視光域の感度が高いため、室内の蛍光灯下の動作に適しています。いわゆるソーラー電卓に使われている太陽電池ですが、電卓用の 1.5V 品ではなく、3V 品を採用しています。

蛍光灯下の動作に適していますといっても、太陽電池の出力はたかだか数 10 uA しかありません。圧電ブザーの駆動には数 mA の電流が必要なので、電気二重層コンデンサに一度充電してまかなうことにしています。

プログラムのだいたいのダイアグラムを上図に示します。テスタリード開放のとき Power Down Sleep モードに入り、INT0 割り込みを待ちます。このときの消費電流は 1uA 以下です。抵抗値のチェックはコンパレータを使用して、0.1V 基準電圧と比較します。


ケースの中身はこんな感じで、見てのとおり適当な基板の切れ端に実装しています。
テスタリードとケースは 3D プリンタで作成しました。テスタリードの先っぽは MAC8 CD-2 です。