月別アーカイブ: 2023年8月

LibreOfficeのデフォルトフォントを変更する

いつからか LibreOffice の日本語デフォルトフォントが 游ゴシックになっていますが
游ゴシックのフォントがあまり好きじゃないので、新規セットアップの度に変更しています。

Calc の場合

新規ドキュ メントを作成して、F11 を押してスタイルを出し、「標準」を右クリック->編集

フォントタブから、好きなフォントに変更します。

セルのフォントしか変わらないので、ついでに図形描画の既定のスタイルも変更したいのですが、Calc だと手順がないです。
Excel だとスタイルの編集で一気にできたと思います。

Calc とか Excel のような表計算ソフトの図形描画で図表を描くのはどうかと思うので、
(Excel で巨大なセルに文章を書いたり、図形描画でフローチャートを描くのは読みづらいのでやめてほしいと思っています)
図形を描くときは Draw や Impress を使ってということでしょう。
実際、図形描画のバーも標準で非表示になっています。

これでそのドキュメントのセルの標準フォントは変更できたので、このファイルをデフォルトのテンプレートに設定します。
メニューからファイル->テンプレート->テンプレートとして保存をクリック

テンプレート名を入力して、「既定のテンプレートにする」にチェックを入れて保存します。

次回新規作成から、そのテンプレートが適用されます。

ファイルは %APPDATA%/LibreOffice/4/user/template に保存されます。

Writer の場合

同じように、スタイルからフォントなどを変更して、テンプレートとして保存します。

注意しないといけないのは、LibreOffice のバグのように見えるのですが、
Calc, Writer, Impress などでテンプレートを作成する際は、別々の名前を指定しないと
すでに保存したテンプレートが消えてしまいます。
ここでは、Calc のテンプレートに「Default」という名前をつけたので、Writer では「Default_Writer」という名前にしておきます。

Impress の場合

Impress の場合、スタイルの「標準図形スタイル」で図形描画のフォントや色(OpenOffice, LibreOffice のデフォルトは変な色になっている)を変えられます。
スライドのデフォルトフォントやそのサイズは、スタイルもしくはスライドマスターで設定します。

PowerPoint ではスライドマスターのフォントを変更するだけでよいのですが、
Libreoffice 7.5 の時点では、スライドマスターのフォントなどを変更してもスタイルに反映されず、直接スタイルを変更するしかないようです。

これまでと同じように、テンプレートとして保存すれば次回からの新規作成でも反映されます。

そのへんにある部品で非接触給電(1)

コネクタや端子で接続することなく電源供給する非接触(ワイヤレス)給電が普及してきています。
非接触給電にはスマートフォンの充電ができる Qi などの規格がありますが、
そこまでの電力でなくても、LED やマイコンが動く mW レベルの
給電で十分なアプリケーションは考えられます。

そのへんにある部品で実現できないでしょうか。実験してみます。

NE555 で適当な発振器を作って、直接磁気シールドのないコイルを駆動します。
2つの D は NE555 の Tr の電流バイパス用ですが、SBD の方がよさそうです。
電源は 5V から 15V までテストできます。電圧を上げると送電電力も大きくなりますが、 9V 以上にすると発熱が気になりました。

ふつうワイヤレス給電では、磁束を確保するため送電側に空芯コイルをつかいますが
安く手に入るフェライトコアを使ったインダクタで実験してみます。
今回は小型に作りたかったのと、ちょうどたくさんあった NEC の SSB44-680 という型番のチップインダクタを使用しました。
その分送受信コイルの位置はずれが許されなくなります。
インダクタンスは大きい方が良いのか小さい方が良いのかよくわかりません。

送電側は LC で直列共振回路を構成します。
発振周波数と共振回路の fC と合わせることで、コイルに大きな電圧が発生します。
Qi が 100-200kHz らしいので、それにあわせて発振周波数は 160kHz としました。

受電側はラジオと同じ LC 並列回路を構成します。
給電状態を確認するため、負荷として LED を接続しました。
ダイオードで半波整流していますが、平滑する場合は D の後に C を追加できます。

L=0mm /  L=10mmL=20mm

VCC=5V では、写真のように 10mm 離しても LED が点灯しています。
20mm 離すと LED は消えます。
10mm 間隔で数mW 給電できるのであれば、プラスチックケースに入れた状態のマイコンを動作させることができそうです。


インダクタの波形は正弦波になるはずですが、ピーク部分がいびつな形になっています。
これは D の trr の影響だと思います。
NE555 ドライバ段の BJT の逆耐圧 (5V) を超えてしまうと故障に繋がるので、このままでは問題かもしれません。

インダクタに加わる電圧は VCC=5V のとき 26V p-p となっています。送電側の消費電流は 60mA 程度です。


VCC=9V まで上げると、インダクタの電流は 62Vp-p まで増加します。

保管用のICレールの止め具を作る

いまどきの製品で DIP IC を使うことは少ないでしょうが、
DIP IC はレール(あるいはマガジンと呼ばれる)に入ってメーカから出荷されていました。

IC レール

レールの両端はプラスチック製の止め具(エンドピンと呼ばれる)や、上の写真のような塩化ビニルやシリコンゴム製の止め具(エンドプラグと呼ばれる)で固定されます。
東芝とか沖電気は黄色、三菱やTI はグレーと、メーカによって色はさまざまでした。

IC レールのいろいろな止め具

私はレールのまま IC をたくさん保管していますが、
日本の高温多湿の環境では、レールを長期保管するとエンドプラグの劣化が問題になります。

劣化したストッパの例

製造から 10年、20年経過すると、エンドプラグは硬い樹脂と液体に分解してしまいます。
液体は油分なので、水分のように金属をさびさせることはありませんが、
もちろん蒸発することもなく、IC は油でべたべたになってしまい、
止め具としての機能もなくなってしまいます。

そこで、軟質のエンドプラグをプラスチックのエンドピンに置き換えるべく、
3D プリンタで止め具を作ることにしました。
φ3.2 の穴にはまるような形状で止め具を作成します。

止め具を3Dプリンタで作る

たくさんプリントアウト

作成した止め具に変えたICレール

IC レールにドリルで穴を開け、もとの止め具の代わりに作成した止め具を差し込みます。
PLA が何年持つかわかりませんが、20年もののエンドプラグよりは安心して保管できますね。
通常の止め具と違い、薄いので裏から差し込むこともできます。

モデルデータ