そのへんにある部品で非接触給電(1)

コネクタや端子で接続することなく電源供給する非接触(ワイヤレス)給電が普及してきています。
非接触給電にはスマートフォンの充電ができる Qi などの規格がありますが、
そこまでの電力でなくても、LED やマイコンが動く mW レベルの
給電で十分なアプリケーションは考えられます。

そのへんにある部品で実現できないでしょうか。実験してみます。

NE555 で適当な発振器を作って、直接磁気シールドのないコイルを駆動します。
2つの D は NE555 の Tr の電流バイパス用ですが、SBD の方がよさそうです。
電源は 5V から 15V までテストできます。電圧を上げると送電電力も大きくなりますが、 9V 以上にすると発熱が気になりました。

ふつうワイヤレス給電では、磁束を確保するため送電側に空芯コイルをつかいますが
安く手に入るフェライトコアを使ったインダクタで実験してみます。
今回は小型に作りたかったのと、ちょうどたくさんあった NEC の SSB44-680 という型番のチップインダクタを使用しました。
その分送受信コイルの位置はずれが許されなくなります。
インダクタンスは大きい方が良いのか小さい方が良いのかよくわかりません。

送電側は LC で直列共振回路を構成します。
発振周波数と共振回路の fC と合わせることで、コイルに大きな電圧が発生します。
Qi が 100-200kHz らしいので、それにあわせて発振周波数は 160kHz としました。

受電側はラジオと同じ LC 並列回路を構成します。
給電状態を確認するため、負荷として LED を接続しました。
ダイオードで半波整流していますが、平滑する場合は D の後に C を追加できます。

L=0mm /  L=10mmL=20mm

VCC=5V では、写真のように 10mm 離しても LED が点灯しています。
20mm 離すと LED は消えます。
10mm 間隔で数mW 給電できるのであれば、プラスチックケースに入れた状態のマイコンを動作させることができそうです。


インダクタの波形は正弦波になるはずですが、ピーク部分がいびつな形になっています。
これは D の trr の影響だと思います。
NE555 ドライバ段の BJT の逆耐圧 (5V) を超えてしまうと故障に繋がるので、このままでは問題かもしれません。

インダクタに加わる電圧は VCC=5V のとき 26V p-p となっています。送電側の消費電流は 60mA 程度です。


VCC=9V まで上げると、インダクタの電流は 62Vp-p まで増加します。

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