クロック回路の設計
TMS1030/1031 にはクロックドライバが無いので、
1 ピン(CK) にクロック信号を入力する必要があります。
周波数は 100k – 200kHz ほどで、14V p-p (Vdd-Vgg) の振幅が必要です。
当時の製品では、Tr 2石のマルチバイブレータでクロックを生成させているケースが多いのですが、
部品点数と消費電流が気になるので、今回は CMOS インバータによる発振回路を作ります。
こういう高電圧系の応用に CMOS の 4000B / 4500B は便利です。
4584B (シュミットトリガインバータ) を使った発振回路は、図のようになります。
4069UB を使うことも考えましたが、その場合貫通電流の影響で、
消費電流が 図の回路に比べて 10 倍ほどになってしまいます。
出力の 1k は保護用で、接続先のピン配置がまだ確実ではないので入れたのですが、
そもそも 4584 の出力 Z がそれくらいあるので、無くても同じかもしれないです。
ドライバ回路の設計
この IC にはディスプレイのドライバ回路もなく、単にオープンドレイン出力となっているだけで、
定格などは資料が無いため不明です。
VFD を駆動するために、外部 Tr によるドライバ回路が必要です。
これは、上図のような単純な回路で十分です。
図中 グランド記号で示されている電位は、VFD のカットオフ電圧なので、
Vgg より低い電圧です。
2SC2021 は ROHM の汎用トランジスタですが、外形が FTR なので高密度実装が可能です。
ここまでの基板写真です。
抵抗などはチップ部品を使っているので、部品面に実装してあります。
IC の生存確認
ここまででの実装で、もし IC が生きていれば、
少なくともプルダウンされたグリッド出力には信号が出力されるはずです。
というわけで…
動作かくにん!よかった
製造後 40 年あまりにして、IC にはじめて電源が入れられたわけです。