カテゴリー別アーカイブ: 3Dプリンタの活用

シンセリコーダーの製作 その2

GW を利用してシンセリコーダーの改良をしていました。

上がプロトタイプ1号機、下がプロトタイプ2号機です。
1号機では指検出にメカニカルスイッチを使用していましたが、2号機ではタッチセンサに変更しています。
あわせて、基板配置の変更、センサキャリブレーションの自動化と、マウスピースの設計変更を行いました。
マウスピース部分は 3D プリンタで出力しています。

このプロジェクトではおもちゃではなく楽器を作りたいので、息の検出は当然肝となる部分で、いろいろ試した結果気圧センサを使用しています。
マウスピースと気圧センサは試行錯誤の結果、上記写真のように取り付けています。
気圧センサの出力は、横にある LM324 で増幅してマイコン (ATmega8) に入力されます。
基板は以前製作した便利な細長ユニバーサル基板を使用しています。

指使いを検出するタッチセンサには上記写真に見えるように、ピンヘッダを使っています。
タッチセンサ(メカニカルな接点を使用しないスイッチ)は大きく分けて非接触型と接触型に区別されます。
静電容量を利用する非接触型はそれなりに広くパターンを設ける必要があり、リコーダーのサミング(穴を半分だけ空けること)検出が難しそうなので採用しませんでした。
接触型にもいろいろあり、商用周波数からのノイズを拾うものや、接触抵抗を検出するものがありますが、今回はセンサ端子の浮遊容量に電荷を貯め、端子の電荷が指を通して放電されることを検出する方式を採用しています。

上から。

基板に誤って触れるとセンサが誤検出するので、サイドカバーをつくってつけました。
どうも直径に対して長さが足りない気がしますが、「リコーダー 寸法」とかで検索しても値が出てこないのであまり気にしないことにします。

下側の穴(左手親指)はサミング検出のため、上記写真のように 2 組のセンサ接点を配置しています。

ちょっと演奏しづらかったので、片方の接点のみ位置を微妙に調整しました。
これで大分、リアルリコーダーの感覚に近づきました。

太陽電池駆動式・導通チェッカの製作


太陽電池で駆動する導通チェッカを作りました。
電池不要でメンテナンスフリーかつ常時電源 ON なので、テスタで導通チェックするときのように、いちいちスイッチやレンジを切り替える必要がありません。
作業机の上に 1 つ置いておけば、使いたいときすぐ使えて便利です。

Schematics (PDF)

Source Code (AVR Assembly for ATtiny11L / ATtiny13A)

上図に回路図を示します。測定電流 1mA (パルス測定) で、約 100 Ω以下のときブザーが鳴るようになっています。消費電流の関係で BOD やリセット IC を使用していないので、うまく起動しないときはテスタリードで RESET ピンをタッチしてください。

MCU は ATtiny13Aを使用しています。当初は ATtiny11L を使用予定だったのですが、このチップは WDT 用クロックを内蔵 RC 発振器として共用しており、電源電圧により発振周波数が 10 倍以上変化するという致命的な問題があるため、途中で tiny13A に変更しました。プログラムはアセンブラですが、GCC でアセンブルできるようになっています。

この製作のキーパーツはアモルファス太陽電池で、松下のアモルトンの 3V 出力品 (開放時 4V) を使用しています。アモルファス太陽電池は通常の単結晶シリコン太陽電池と感度特性が異なり、可視光域の感度が高いため、室内の蛍光灯下の動作に適しています。いわゆるソーラー電卓に使われている太陽電池ですが、電卓用の 1.5V 品ではなく、3V 品を採用しています。

蛍光灯下の動作に適していますといっても、太陽電池の出力はたかだか数 10 uA しかありません。圧電ブザーの駆動には数 mA の電流が必要なので、電気二重層コンデンサに一度充電してまかなうことにしています。

プログラムのだいたいのダイアグラムを上図に示します。テスタリード開放のとき Power Down Sleep モードに入り、INT0 割り込みを待ちます。このときの消費電流は 1uA 以下です。抵抗値のチェックはコンパレータを使用して、0.1V 基準電圧と比較します。


ケースの中身はこんな感じで、見てのとおり適当な基板の切れ端に実装しています。
テスタリードとケースは 3D プリンタで作成しました。テスタリードの先っぽは MAC8 CD-2 です。

 

 

3Dプリンタで半固定抵抗のつまみを作る

試作品の動作中に半固定抵抗を調整するとき、毎回ドライバを差し込んで・・・というのはいかにも操作性が悪く、ダイヤル式のつまみがほしい。
もちろんつまみ付きの基板取り付け型 VR は存在しますが、入手しづらかったりサイズが大きかったり、何かと使いづらいのです。

そんなわけで、下図のような半固定抵抗用つまみのモデルを 3DCAD で作り、先日買った 3D プリンタで印刷します。
うちに大量ストックしている NOBLE の VM6CK という VR がおあつらえ向けの形状(摺動子と連動する円形カバー、太く深いドライバ溝)だったので、それにマッチするようモデリングしています。

プリントするとこんな感じ。

便利に使えています。