月別アーカイブ: 2016年8月

TDK CE-1025の解析

ce-1025_01

秋月電子のおたのしみ袋に CE-1025 と印字のあるモジュールが入っていました。データが見つからないので解析してみます。

ce-1025_02

シールド内部はこのような基板が入っています。パワーインダクタがあることから、スイッチング電源モジュールのようです。
5 Pin や 6 Pin の石が見えますが、これは IC ではなく複合 Tr です。
ROHM の UMS1、EMX1、UML2N が使用されているようです。

ce-1025_ciruit

解析のためトレースした回路図が上図です。
見ての通りステップダウンレギュレータの構成になっています。
回路構成から入力定格は 12-24V 程度だと思います。
図中右側の PNP Tr は誤差増幅で、
フィードバック電圧と基準電圧は外付けですから、
可変電圧 (Vout > 3.5V) の SW レギュレータとして使用できます。

ce-1025_test

上記解析より、CE-1025 は図のような回路により使用できます。

TTL で PSG 音源を作る その4

さて重要なのは DAC の設計です。

AY-3-8910 は各 ch 内部 4bit の表現を持ちますが、その出力 DAC は対数出力となっています。
dac_output

対数出力ということは、ストレートに R-2R ラダーは使えません。
簡単に思いつく構成は以下の3 つ:

(1) 対数型 DAC を組む
(2) 74154 + 抵抗 16 個
(3) ディジタルで linear-log 変換をした後バイナリ DAC

独立 3ch 分の DAC を組まなければならないため、今回は一番構成部品の少ない (1) の構成で設計します。

ただし、(1) は「TTLで作る…」と銘打っておきながら CMOS IC を使うことになるので、TTL 縛りが重要なら (2) を採用することになります。オリジナルの IC は MOS によりますが・・・。

dac

設計した DAC の回路図を示します。CMOS のアナログスイッチ 4053B は都合良く 3 回路入りなので、3ch の 4 bit DAC が わずか 4 個の IC で構成できます。

対数の底については、データシートの図表から LSB が -3dB (sqrt(1/2) 倍) になるように回路定数を設定しています。この定数が妥当かどうかはわかりません。出力インピーダンスは 47k となりますが、これは手持ちの抵抗値によって定数を適当に設定した結果です。

TTL で PSG 音源を作る その3

すこし間が空いてしまいました。
設計と同時に実装を進めていますが、果たして基板2枚で収まるでしょうか。

Dscf0793

今回はノイズジェネレータ部分の設計です。
AY-3-8910 は1 系統のノイズジェネレータを搭載しており、前段のプログラマブルプリスケーラで周波数を調整できるようになっています。
ノイズ音の ON/OFF は、後段のミキサで 3ch 矩形波の任意の ch に合成することでコントロールされます。
音量は矩形波 ch で設定された音量と共通のようです。

noisegen_1

基本的に、ホワイトノイズを生成する回路は、シフトレジスタカウンタ(文献によっては線形カウンタと称する)により構成すると簡単です。
SIPO シフトレジスタの 74LS164 と XOR 74LS86 で作った回路が上図、出力波形が下図です。

noise_wave_1

オリジナルの modulo はデータシートに載っていないので、
回路の簡単な modulo 2^15-1 としています。
あとで調整が必要になるかもしれません。