月別アーカイブ: 2017年5月

DSP-444 の I2C テスト その2

ある程度実用的になったので DSP-444 ラジオの I2C テストの回路図とソースコードを公開します。

I2C で操作しているのは
・受信周波数の取得
・FM/AM/SW、受信バンドの選択
・音声出力の位相(デフォルトがLR反転なので、イヤホンで聞くためには設定が必要)
の3点です。

現時点でI2C での選局の方法はわかりません(対応するレジスタを設定しても変化なし)ので、ダイヤルによる設定としています。
適合するバリコンつまみを持っていないので、可変抵抗で選局するよう改造しています。
ここまで改造するならもう別のモジュールを使った方がいいような気もします。

表示器には hp の HPDL-1414 を使っています。この表示器はアルファベットも表示できるので、放送局のコールサインでも表示できるようにしようと思っています。
写真のように FM 補完放送も受信できます。


回路図

ソースコード (gcc)

 

DSP-444 のテスト

何年か前の福箱に入っていた、aitendo で売っている DSP ラジオモジュール DSP-444 のテストをしています。

モジュールを解析した結果 I2C レジスタの仕様がある程度わかったので、とりあえず受信周波数の表示ができるようになりました。

写真は TBS ラジオ 954kHz を受信しているのですが、このモジュールは AM のチャンネルスペースが 5kHz の米国仕様なので 955kHz の受信になってしまいます。AM の音質が悪いのもこのせいだと思います。どこかの設定でチャンネルスペース 9kHz にできるといいのですが。

ロジック IC の出力特性を実測する その2

今回は偽ブランド品 (counterfeit) ロジック IC を中心に…

74HC04D(HYC)

これは NXP 社のロゴがありますが偽ブランド品だと思われます。
・同社 DIP の型番は 74HC04N であり、74HC04D ならば本来 SOP
・パッケージ形状が NXP のものと異なる

偽造 IC にはロット番号に本来の製造社名を入れている場合があり、この IC の場合 HYC というのが本来の社名だと思います。

特性を見ると、H 出力のドライブ能力が L 出力に比べて低くなっていますが、JEDEC 規格は満たしています。ファンクションも確認した限り正常です。

SN74HC164N (15FVNS)

・ロット番号の桁数が異なる
・ピンの太さが本物と比べて太い
ことから、偽ブランド品と判断しています。

ドライブ能力を見ると、L 出力がぎりぎりですが、一応規格は満たしているようです。

SN74HC164N(65CXD2K)

この IC はマーキングがきわめて薄く、パッケージ形状も TI のものと異なるので、人目で正規品でないとわかります。ドライブ能力は正規品と遜色ありません。

SN74HC595N(93DN8WY)

シフトレジスタの 74HC595 は需要が多い汎用 IC のため、偽造ブランド IC が多く見られます。実感として aliexpress では 90%、国内通販で 20% 程の確率でこうした IC を手にすることができます。

この IC のドライブ能力は本物より強いです。

SN74HC595N(11HMK7J)

この IC は機能が微妙に 74HC595 と異なっており、本来なら RCLK  ピンの rising エッジで出力データをロードすべきところ、トランスペアレントラッチ動作となっていました。たまにこういうことがあります。

74HC595N(YRD0914)

偽ブランド IC の世界でも、YRD はよく見かけるブランドです。ディジタルのみならずリニア IC も手がけているようです。

74HC595N(1108LHW)

SN74HC595N(13CNONK)

このロット No の IC もポピュラだと思います。出力特性はオリジナルよりむしろ良くなっています。他の IC も似たような特性なので、ダイスとパッケージングで水平分業になっているのではないかと思います。

ここまでの偽ブランド IC と比較して、正規品の特性を以下に示します。

M74HC595B1(正規品)

ちょうど TI の 74HC595 がなかったので、STMicro のものを示しています。

ここに示していないものも含めて多数のサンプルで測定をした結果、 74HC シリーズでは、正規品に比べて偽ブランド品の方がドライブ特性が強い傾向にあるように感じます。ただし、サンプル 11HMK7J のように、機能が微妙に異なる IC も混ざっているので注意が必要です