2018 年最後の更新となりましたが、最近作ったロジック IC テスタを紹介します。
ジャンクで入手したロジック IC を使用するときには IC テスタがあると便利です。
SSI – MSI で組み合わせ回路を作ると、1 個の製作に数十~数百個の IC を使用することになるので、
万が一不良品が混ざると大変な思いをすることになります。
そこで、IC の動作や各ピンの入出力を確認する、簡単なロジック IC テスタを作りました。
ロジック IC のテスタなので当然ロジック IC を使って作っています。
設計にあたり、以下の項目を条件としました。
- DIP20, DIP16, DIP14 の IC を試験できること
- 7473, 7493 など特殊な電源ピン配置の IC も試験できること
- IC の消費電流がわかること
- H レベル、L レベル、Hi-Z が区別できること
- 電源は +3V – +6V くらい
動作
写真にスイッチの行列が見えますが、このスイッチ操作により IC の各入力ピンのレベルをセットします。
LED には出力ピンの電圧レベルが表示されます。
- SW1: 電源ピンの配置を選択します。(N/A -> 20P -> 16P -> 14P -> SP)
- SW2: 全ピンの状態を Hi-Z にリセットします。
- SW3: 電圧レベルを CMOS レベル / TTL レベルから選択します。
- SW4: 全ピンのプルアップの有効 / 無効を選択します。
組み込みの電流計により、IC の消費電流をチェックできます。
ピンの出力と電圧検出
上図の点線枠内の回路は、2 ピン毎の出力回路と電圧検出回路を示しています。
ピンの出力は、L レベル、H レベルと Hi-Z をプッシュスイッチにより切り替えられるようになっています。
一度切り替えたレベルはラッチ 4043 により保持します。
出力ドライバは TC7SH125 を使用しています。
MR 信号により全ピンを Hi-Z にリセットするためのものです。
各ピンはコンパレータで L, H レベルを検出し、2 色 LED に表示します。
Hi-Z は LED 消灯で区別できるので、出力段の故障も判断できます。
20 ピンのテスタを作る場合、回路図に示した回路を 10 個実装する必要があります。
電源回路
74 シリーズ / 4000 シリーズで標準的な DIP20, DIP16, DIP14 の電源配置と、古い TTL MSI の特殊なピン配置に対応するよう、電源セレクタを組んでいます。
電源ピン配置は SW1 を押すごとに切り替わります。
DIP20 (LED 赤: VCC, 緑: GND)
DIP16
DIP14
特殊ピン配置 (7473 など)
基本的には IC を右側に揃えて挿入します。
特殊ピン配置のとき、74 シリーズの DIP14 の電源ピンはバリエーションが存在するので、IC によって挿入位置が変わります。
7441, 7473, 7475-78 (74H78 以外), 7481-7484, 7494, 74L95, 7496, 74H103, 74H106, 74141: 右に揃えて挿入
基板
実装が大変なので、回路図中点線で囲った部分は基板を起こしました。
基板中にユニバーサル領域を設けたので、うまく作ればすべての回路をこの基板上に載せることができます。
基板は予備があるので、作ってみたい方には頒布します (基板のみ 2 枚 ¥500、主要部品とセットで¥2,500[24/9/9追記]要相談) 。
電流計
適当な電圧計を接続できます (100mA/V) が、秋月で販売している「超小型2線式LEDデジタル電圧計」を改造して使うのが便利です。
以前のテスタ
回路図に v2 とありますが、もっと以前に作った v1 も存在します。
ロジックICテスター面白そうですね。
まだ販売されていますか?
できれば、主要部品込みで購入したいです。
ご連絡くださればありがたいです。
返信遅くなりすみません。
コメントありがとうございます。
探したところ記事中で使った生基板の予備が2セット分見つかりましたので、頒布可能です。
基板に起こしている回路は回路図中点線部分のみで、
それ以外はユニバーサル領域をうまく使う(ぎりぎり入ります)か
別途ユニバーサル基板に実装する形になります。
部品はおおむね在庫ありますが、電源周りと配線材は用意いただくことになると思います。
詳細はメールにてご連絡いたします。
よろしくお願いいたします。