いまどきの製品で DIP IC を使うことは少ないでしょうが、
DIP IC はレール(あるいはマガジンと呼ばれる)に入ってメーカから出荷されていました。
レールの両端はプラスチック製の止め具(エンドピンと呼ばれる)や、上の写真のような塩化ビニルやシリコンゴム製の止め具(エンドプラグと呼ばれる)で固定されます。
東芝とか沖電気は黄色、三菱やTI はグレーと、メーカによって色はさまざまでした。
私はレールのまま IC をたくさん保管していますが、
日本の高温多湿の環境では、レールを長期保管するとエンドプラグの劣化が問題になります。
製造から 10年、20年経過すると、エンドプラグは硬い樹脂と液体に分解してしまいます。
液体は油分なので、水分のように金属をさびさせることはありませんが、
もちろん蒸発することもなく、IC は油でべたべたになってしまい、
止め具としての機能もなくなってしまいます。
そこで、軟質のエンドプラグをプラスチックのエンドピンに置き換えるべく、
3D プリンタで止め具を作ることにしました。
φ3.2 の穴にはまるような形状で止め具を作成します。
IC レールにドリルで穴を開け、もとの止め具の代わりに作成した止め具を差し込みます。
PLA が何年持つかわかりませんが、20年もののエンドプラグよりは安心して保管できますね。
通常の止め具と違い、薄いので裏から差し込むこともできます。